Works(作品等) |
No. | 作品名, 発表者, 作品分類, 発表年月, URL, 発表内容
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1 | 「de aone(自由が丘の商業施設)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2023年10月20日 - 現在, , 初めての都市型イオンモールが計画された自由ヶ丘は、他の商業地域とは異なり住宅地と近接した路面店が多くあり、それが街の魅力を高めショッピングの楽しさを生んでいる。その魅力を施設が集約される”モール”で再現するため、地上階から5階まで続く緑溢れる外部路地を設け、その路地沿いにテナントが並ぶように計画している。
また商業施設とはいえ人のための空間だけではなく、雨水を集めて溜めるバードバスや人が入らない”原っぱ”、在来植生を中心とした植栽計画など、地域の動植物を受け入れる環境を整え、生物多様性の拠点にもなるようにデザインされている。
オープン後一年が経った現在は、商業施設や住宅が密集する自由ヶ丘の中心部にあって、自由に出入りできる貴重な公共の広場となっている。
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2 | ヤマニパッケージ本社ビル ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2023年07月31日 - 現在, , 商品パッケージのデザインから制作まで手がける企業の本社ビル新築に合わせてつくられた庭園は、”紙”製品を多く扱う業種から「森」と「生物多様性」をテーマに計画されている。
岐阜地域の在来植物や、県内産の石材や木材を利用してつくられた庭には、地域の生き物がやってくるように湿地や多孔質の石積みなどさまざまな環境を用意した。また降った雨水を敷地内に浸透させるよう「雨庭(レインガーデン)」も備え、自然の森と同様の機能をもたせている。さらにこのビルで働く社員の皆さんに石積みや植栽などの施工プロセスに参加してもらい、そのまま今後の管理・運営を担っていただくようにスキルの継承をしている。
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3 | 「52間の縁側(八千代の老人デイサービス)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2023年04月01日 - 現在, , 千葉県で複数の老健施設「いしいさん家」を運営するクライアントは、福祉施設にありがちな閉じ込めて管理するケアをなるべく避け、入所者の尊厳と幸せに寄与する福祉を模索している。そこには入所者の家族や地域の子供たちが自由に出入りし関わりを持ちながら、入所者はケアされるだけではなく子供を見守り、お庭の管理をしながら、ともに生活する場を実現している。
地域に開かれた施設となるべくデザインしたお庭は、施工や管理のプロセスも含めて施設関係者や地域の子供たちと協働(ワークショップ)し、周囲の里山や竹林の材料を利用しながら現在も作りつづけている。
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4 | 「いまここ(新富士のホスピス)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2020年10月01日 - 現在, , 終末医療のための入院施設として計画された病院で、入院する患者の多くが余命が長くはない病状である。ケヤキやサクラ、モミジなどを含む既存樹にも季節感はあるが、来春の桜の花を待てない病状の方も多い。そのため既存高木の足元には1~2ヶ月の短い期間でダイナミックな変化を見せる、数多くの在来多年草を植栽している。それらの植栽が病室内や廊下から眺められるもの、車椅子のままデッキに出て触れられるもの、降りて散策できる園庭など様々な位相で楽しめるように配置されている。
お庭の植物の花や枝は、患者はもちろん付添いの方が採取して、各病室に持ち帰れるように運用している。また多年草の管理をしながら、植物を使ったワークショップなども計画し、付添いのご家族が看病の中で少しの間でも病室を離れて、息をつけるように工夫している。
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5 | 「ほっこり家(陸前高田のサ高住)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2019年04月01日 - 現在, , 東京大学工学部の大月研究室(建築計画)による震災復興プロジェクトとして始動したサ高住施設。海を眺める高台の、新しい町の一角に計画された。
まずは1期としてサ高住を建設し、今後の計画として保育園やカフェなどを同敷地内に建設することで、まちづくりの拠点としての機能を期待している。
陸前高田では震災後の大規模な土木工事により、町のいたるところが種子吹付けによる造成法面で覆われてしまった。ここでは震災前の風景を次代につなぐことを目的に、鋤取り保存した敷地の表土を
造成後に敷き均すことで土中のシードバンク(埋土種子)を残し、それらを利用した植栽を計画し、庭園をデザインした。
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6 | 「tette(須賀川市民交流センター)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2019年01月11日 - 現在, , 東日本大震災の復興プロジェクトのひとつとして、須賀川市が主催したプロポーザルコンペ。地震の影響で建て替えが必要となった公民館に加え、図書館機能を併せもつことを条件とされた。復興支援の名のもとに多くの箱ものが建設されている中で、将来的な市民ニーズの変化に合わせられる可変性と、維持管理のための負担を減らす経済的なデザインを提案した。
多段状に重なる各フロアはそれぞれにテラスを持ち、季節や用途に応じて室内外を有機的につなげた利用が可能となっている。市民ワークショップを重ねながら、具体的なプログラムの検討と実施設計を同時に進めた。
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7 | 「漁民食堂(糸満の魚食レストラン)」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2017年02月15日 - 現在, , 古くから漁民の町として栄えてきた糸満市で生まれ育った若いオーナーが、地域の漁民の食文化を広く伝え、残したいという思いで計画したレストラン。
この地では代々、地元の住民が協力しあって海を埋め立て土地を広げ、家々の石垣を築いて街並をつくってきた。しかし現在では人々の暮らしの変化に合わせて建材も変わり、伝統的な街並も一部に残る程度になってしまっている。
かつての石積みの技術をもつ方々も皆ご高齢になり、今若い世代に伝えなければここで途絶えてしまうとの思いから、伝統的な工法による石垣を建築内外のデザインに取り入れ、地域の先達の指導の元、住民参加のワークショップでつくりあげた。
沖縄の気候に合わせて、四方に庇を延ばして建物の内と外をつなぐ軒下空間をつくり、また庭園には、琉球地方で緑陰樹として利用されてきた”コバテイシ”の大木を植栽して、地域に解放された広場をもうけている。
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8 | 「刈谷ハイウェイオアシス」 ランドスケープデザイン, 稲田多喜夫, 設計, 2004年12月01日 - 現在, , 高速道路のP.Aと同時につくられた、一般道からもアクセスできるハイウェイオアシス。上下のP.Aまで含めると延長800mほどの細長い敷地となり、そこに歩行者のためのプロムナードを通して小さな建築群をならべ、街並をつくった。
高速道路利用者にとってP.Aの利便性は「食事とトイレ」ということで、地域の食が楽しめるフードコートや、地元の家具メーカー「カリモク」の協力で実現した”デラックストイレ”などを配置した。
また一般道から来る地元のお客様のためには、児童公園や足湯を楽しめる温浴施設、産直市場などをリーシングすることでリピーターを増やし、オープン以来、海老名 P.Aに次いで全国二位の売り上げを続けている。
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